教育について

スタジオ紹介

未来構想スタジオ

大須賀 史和

西洋哲学、倫理学の諸テーマを扱いつつ、思考の鍛錬を行います。問題の生きた考察に取り組むことを主眼としますので、文献講読、討論、表現演習、発表などを適宜組み合わせていきます。スタジオIIとスタジオIIIを通じて、徐々に問題をより深く多面的に扱えるように指導していきます。
今年度のスタジオで取り上げたのは、プラトン、アウグスティヌス、トマス=アクィナス、ロック、ライプニッツ、ヒューム、カントのテキストです。
哲学や倫理学は、学説としてはある一定の形式に整えられたものとして現れるため、その固定されたロジックを読み解く作業が哲学の勉強であると考えられがちです。しかし、現実には、政治や社会、生活、文化などが織りなす状況の中で、その状況を反映しつつ流動する思考の中から紡がれ生まれてくるものです。多くの場合、直観的な世界理解とそれに基づく構想を現実の深い認識に照らして消化/昇華し、一つの言語的表現へと錬成していく「作業」の結果として構築されています。
従って、こうしたテキストを読み解くには、それらの背景となった時代状況や当時の常識的な観点など、今の我々が前提するのとは異なる世界観について、また哲学以外にも神学などの当時の知識の形について理解し、その上でどのようなロジックによって議論を構築しているかを検討していく必要があります。また、哲学書はそれ単体で孤立して成立しているとは限らないため、その背後にどのような議論があったのかを踏まえることも必要です。こうした複合的な意味でのテキストの読解を通じて、思考する力と技術を鍛えつつ、それを取り巻く状況把握のための的確な知識を獲得し、それを分析し解釈すること、またそれを新たな表現へともたらしていくという作業を行いたいと思います。
スタジオではこうした息の長い作業を継続的に行うことが可能であると考えているので、時には回り道をしながら、また時には失敗も繰り返しながら「知の地力」を鍛えていくことを目指します。

<履修上の留意点>
スタジオⅡとⅢを通年で履修することを前提としてスタジオ運営を行います。