教育について

スタジオ紹介

未来構想スタジオ

大須賀 史和

西洋哲学、倫理学の諸テーマを扱いつつ、思考の鍛錬を行います。問題の生きた考察に取り組むことを主眼としますので、文献講読、討論、表現演習、発表などを適宜組み合わせていきます。スタジオIIとスタジオIIIを通じて、徐々に問題をより深く多面的に扱えるように指導していきます。

取り扱うテーマとしては、社会哲学、政治哲学、言語哲学、倫理学を中心とします。今年度取り上げたのは、プラトン、アウグスティヌス、トマス=アクィナス、カント、ヘーゲルのテキストです。また、関連授業でグローバルな倫理、生命倫理、刑罰と社会秩序などのテーマでディスカッションを行いました。来年度は両者を少しミックスして、現代における思想・哲学の広がりと可能性を知ってもらおうかと思っています。

哲学や倫理学は、学説としてはある一定の形式に整えられたものとして現れるため、その固定されたロジックを読み解く作業が哲学の勉強であると考えられがちです。しかし、現実には、政治や社会、生活、文化などが織りなす状況の中で、その状況を反映しつつ流動する思考の中から紡がれ生まれてくるものです。多くの場合、直観的な世界理解とそれに基づく構想を現実の深い認識に照らして消化/昇華し、一つの言語的表現へと錬成していく「作業」の結果として構築されています。

こうした作業を行うには、またこうした作業の結果生み出されたものを深く読み解くには、思考する力と技術を鍛えつつ、現実把握のための的確な知識を獲得し、それを分析し解釈すること、またそれを新たな表現へともたらしていく必要があります。言い換えれば、認識・判断的な行為と言語的/表現的な行為を往還的に継続し、そのそれぞれの力を錬磨していくことが重要です。講義や演習とは異なり、スタジオではこうした息の長い作業を継続的に行うことが可能であると考えているので、時には回り道をしながら、また時には失敗も繰り返しながら「知の地力」を鍛えていくことを目指します。

<履修上の留意点>
スタジオⅡとⅢを通年で履修することを前提としてスタジオ運営を行います。