人間文化課程とは

課程長メッセージ(2013年)

室井 尚


横浜国立大学教育人間科学部人間文化課程は、まだ生まれてまもない新しい課程です。この場合の「課程」とは世間一般で言う「学科」と同じものだとお考え下さい。大学改革の流れの中で、教員が大学院と学部の両方を担当することができるように「学科」ではなく「課程」という名前が使われるようになりました。言わば効率化と省力化のためにこうなっているのです。

人間文化課程には「芸術文化コース」と「社会文化コース」がありますが、そのどちらにも「文化」という言葉が入っていることに注目して下さい。「文化」は本来、効率とか省力化とは無縁の言葉です。

皆さんは夏に日本各地で行われる花火大会は好きですか? そこでは一発あたり何十万円も、場合によっては何百万円もする花火を上げますね。一カ所の花火大会だけで億を越えるお金が使われるのも珍しいことではありません。それが全国ということになるとどれほど多くのお金が使われているかは言うまでもありません。「経済効果」というような言葉でいくら正当化したところで、これらが巨大な無駄遣い(蕩尽)であることは否定しようがない事実です。

それでも誰も花火大会を中止しろという人はいません。これを見るとまだまだ日本も捨てたものではないなと思います。

人間は効率や経済原理だけでは生きられません。ルールを守るだけではなく、ルールを超え出す力は文化からしか生まれません。なぜなら一見無駄遣いに思える「文化」こそが、人間の命の根源に関わる活動性だからです。

人間文化課程ではこの「命の根源に関わる」文化についてさまざまな視点から追求していきます。芸術文化コースでは芸術理論、文学理論、音楽学、映像論、記号論、美術史、マスメディア論、ポピュラーカルチャー研究等の視点から、社会文化コースでは社会学、歴史学、人類学、政治学、心理学、哲学、国際学、地域研究、まちづくり等の視点から原理的な事柄にまで遡って探求していきます。さらにはプロジェクト型の実践的授業「スタジオ科目」では現場と直接触れられる経験を育んでいきます。

人間文化課程の教員は多様で多彩で異質でハイブリッドでユニークです。ここで、これまで出会ったことのない生き生きとした「変な大人たち」と出会ってみませんか?

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